祭事記

伝統や風習の起源やしきたりなどの基礎知識を紹介しています。

お田植え

お田植え

昔、田植えは主に女性の仕事で、田植えをする女性は早乙女(さおとめ)と呼ばれていました。男性が早苗(さなえ)を運んで田んぼに目印をつけたあと、早乙女たちが苗籠(なえかご)を腰につけて田植えをします。ちなみに、早乙女や早苗、五月、五月雨など田植えに関わる言葉の頭についている「さ」とは、穀物の守護霊を意味します。日本を代表する花である桜は、田の神さまの宿る座(くら、場所)ということになり、春に盛大に行われる花見の行事も今年の農作業に開始にあたり、山から下られた田の神さまが宿られる桜の下で神さまに豊作を祈願し、おもてなしする行事として今に伝えられてきました。

農業の機械化が進み、手作業での田植えも少なくなり、早乙女たちの姿もあまり見られなくなりましたが、豊作を祈る心にはかわりません。