祭事記

伝統や風習の起源やしきたりなどの基礎知識を紹介しています。

神嘗祭(かんなめさい)

「嘗(なめ)」って新米を召し上がること

神嘗祭は、伊勢の神宮の年間最大のお祭りで、毎年10月17日に行われています。神宮では、年間千数百回のお祭りが行われていますが、この中でも神嘗祭と6月・12月の月次祭(つきなみさい)は三節祭といわれ、最も重要なお祭りとされています。

天皇陛下が御手ずから丹精込めてお作りになられた新穀をはじめ、全国の篤農家から奉納された新米を供え、神さまにお召し上がりいただきます。米の稔りに感謝し、その喜びをともに分かち合うおめでたいお祭りです。神嘗祭には、天皇陛下のお使いである勅使が参向し、皇室よりの幣帛がお供えされます。この毎年行われる神嘗祭が、二十回重ねられると大神嘗祭(だいかんなめさい)つまり御遷宮(ごせんぐう)となるのです。

稲は「命の根」だからイネといい、「米」には穀物の霊(みたま)が込められているからコメと言います。新米には、「新しい命の根」つまり新鮮な瑞々(みずみず)しい生命力が込められているのです。その新米を神さまが召し上がることにより、生命力つまり御神徳(ごしんとく)が昂(たかま)り、神さまのお力が更新されるのです。