神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第14章 神宮大麻・暦
お伊勢さまのお神札と日本の正式な「暦」

[神宮暦]

一、「神宮暦(じんぐうれき)」がなぜ日本の正式な暦(こよみ)なの?

 「神宮暦」には、「神宮大暦(大暦)」と「神宮暦(小暦)」があります。お神札を全国各地に配布していた伊勢の御師(おし)が土産として持参したのが「神宮暦」のもととなる「伊勢ごよみ」でした。
 人々が一年の正確な周期を知る上で、古くからたいへん重宝されました。この「伊勢ごよみ」は科学的な暦であり、その後、明治以降になると、神宮より発行することとなり、今日もその伝統と文化的価値は連綿として引き継がれています。
 昔は、農林漁業にたずさわる人口が圧倒的に多く、耕作や種まきの時期を知るために、年間の季節の推移を正確に知ることは、日々の生活の上でも非常に重要なことでした。
 また、明治十六年には、わが国唯一の正式な暦として、名称も「本暦(ほんれき)」と改められました。
 この「本暦」に改良を加えたものが、今日の「神宮暦」です。数多い暦の基本型として農林漁業にたずさわる方々をはじめ、多くの方々に愛用されています。

二、どんなことが書いてあるの?

 「神宮暦」の特色は、非常に正確で詳細な気象と農業の情報にあります。
 その内容は、「日次(ひなみ)・七曜・六曜・国民の祝日・祭日・節気・雑節・干支・月齢・旧暦・月出月入・満潮干潮・農作業の目安が記載されています。
 また、大暦には代表的な地方都市のデータが記され、観測所・測候所が減少の一途をたどる現在では、貴重な気象基本資料としても活用されています。

三、どこから受ければいいの?

 「神宮暦」は、「神宮大麻」とともに神社本庁がその頒布を委託され、神社庁の支部、神社を通じて全国へ頒布されていますので、地元の神社におたずね下さい。

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