神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第7章 先祖のまつり
日本人は死んだらどこに行くのですか?

二、死んだらすぐ神さまになるの?

 皆さんのお住まいの近くに、ハヤマ(葉山・羽山・麓山・端山・早山等)とよばれている地名や小高い山・丘はありませんか。古くより、私たち日本人の「霊(みたま)」に対する考え方は、人は死後、はるか彼方(かなた)へと旅立つのではなく、生前に家族と一緒に暮らしていた家を望むことのできる場所、つまり、小高い山、しかも始めは山頂ではなく、麓(ふもと)に近い峰の端(はし)っこ、つまり「端っこの山」=「端山(はやま)」へと往(い)き、歳月とともにしだいに高い山に遷(うつ)っていくと考えてきました。その祖霊(それい)は、子孫の行う「祭(まつ)り」(冠婚葬祭のうちの「祭」で先祖祭りの意味)を受けることにより、歳月とともに浄化(じょうか)され、子孫を守り、家を守る「氏神(うじがみ)」として、またその土地・地域をもお守り下さる「産土(うぶすな)の神」として昂(たかま)っていかれるのです。