第10章 お正月
新年を迎えるって、どういうこと?
三、門松(かどまつ)
そもそもお正月は、ご先祖さまや歳神さまを松の枝、つまり門松に乗せて家々にお迎えする行事です。つまり門松は依り代(よりしろ)として、そこにご先祖さまや歳神さまをお迎えしてお祭りするという意味をもっているのです。したがって正月の歳神祭りは非常に重大な儀式であり、依り代としての門松は欠かせないものでした。
一方、お盆の迎え火や送り火はお盆行事の中の先祖の御霊(みたま)をお迎えするための大事な火です。十三日の夕方に家の前で火を焚いて先祖の御霊を迎え、十六日の夕方には同様に火を焚いて送り出します。
もともと、お正月もお盆も共通の行事で先祖の御霊をお迎えし、丁寧にお祭りすることが本義でした。つまり、門松も迎え火もともに先祖の御霊をお迎えするための目じるしとなるものです。