神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第10章 お正月
新年を迎えるって、どういうこと?

五、お節料理(おせちりょうり)

 お正月の料理にも、それぞれに祈りが込められています。例えば、お屠蘇(とそ)には、山椒、桔梗などの薬草が含まれており、これをいただくと一年の邪気が祓われ、寿命を伸ばすことができると信じられています。
 お節料理のいわれをあげてみると、 据わり鯛(すわりだい) 尾頭付きの焼いた鯛で、二尾の鯛を腹合わせにして頭と尾を高くかかげたもので、目出度いに通じます。 数の子 鰊(にしん)の腹子で、その由来は二親から多くの子供が生まれるという縁起をかついだもので、子孫繁栄の願いが込められています。 芋頭(いもがしら) 里芋の親芋で、家の芋ともいいます。小芋をたくさんつけるため、子宝につながり、また頭は人の上に立つ「かしら」に通じることから縁起がよいとされています。 昆布巻き 「喜ぶ」に通じ、目出度い席に使われます。
 本来おせち料理とは、お正月や節句に神さまにお供えするご馳走のことをいいました。