第3章 神社のお祭り
十二、大祓(おおはらえ)
知らず知らずに犯した罪(つみ)や過ち、心身の穢(けが)れを祓い清める神事を「大祓(おおはらえ)」といいます。毎年六月と十二月の晦日(みそか)の二回行われます。
六月の大祓を夏越祓(なごしのはらえ)または水無月祓(みなづきのはらえ)ともいいます。夏越祓では、茅(ち)の輪(わ)くぐりが広く行われています。これは、蘇民将来(そみんしょうらい)が無塔神(むとうのかみ)に一夜の宿を提供したところ、「もしも、後世に疫病がはやったならば、蘇民将来の子孫であるといって茅の輪を腰につけなさい」といわれ、その通りにして疫病を免れることができたという神話に基づくものです。
六月の夏越祓に対し、十二月の大祓を年越祓(としこしのはらえ)または師走祓(しわすのはらえ)といい、その年の下半期の罪・穢れを祓い清め、清浄な心身で正月を迎えるために行います。
大祓では、「人形(ひとがた)」(紙を人の形に切り抜いたもの)を用いて、身体を撫で息を吹きかけ、そうすることにより自分の罪・穢れを移して、海や川に流し、わが身の代わりに清めてもらいます。お祓いとは、神道の精神である清浄な心身を回復し、神さまの御心に近づく大切な行事なのです。