神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第12章 伊勢の神宮
日本民族の総氏神さま

コラム 神宮の御料地(ごりょうち)

 神さまにお供えする神饌(しんせん)や衣服などの御料(ごりょう)は、現在も古儀を尊重して調製されています。
 なかでも、御料米、鰒(あわび)、御塩(みしお)、野菜、果物、土器、神御衣(かんみそ)などの重要な御料品は特に清浄を期するために、それぞれ調製所を設けて、神宮で直接その生産、調製に当っています。

神宮神田(じんぐうしんでん)作付面積約三万平方メートル

 神宮神田は、毎年地元青年男女の奉仕のもと、神宮において一年間に行われるお祭りの御料の粳米(うるちまい)と糯米(もちごめ)が、五十鈴川の水を使って清浄に育てられています。その年にとれた新米は、神嘗祭(かんなめさい)に大御神に奉られます。

御塩殿(みしおどの)御塩殿神社

 御塩(みしお)は、まず五十鈴川の下流の御塩浜(みしおはま)で、毎年土用に濃い塩水をとり、御塩焼所にて、鉄の平釜で焚き上げて荒塩(あらじお)にします。さらに、これを御塩殿で三角形の土器につめて焼き固め、堅塩(かたしお)に仕上げます。この御塩焼固(みしおやきかため)の作業は神職が出向し、身を浄めて奉仕します。

神宮御園(じんぐうみその)約二万平方メートル

 神宮の諸祭典に御供(おそな)えする、季節に応じた野菜・果物を栽培しています。その品目は多種にわたり、数量も多くあります。

機殿(はたどの)

 五月十四日・十月十四日に皇大神宮および荒祭宮(あらまつりのみや)で行われる神御衣祭(かんみそさい)で奉られる和妙(にぎたえ=絹布)と荒妙(あらたえ=麻布)の神御衣(かんみそ)を奉織します。