神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第12章 伊勢の神宮
日本民族の総氏神さま

八、神宮のお祭り

 一般の神社の「神社祭祀(じんじゃさいし)」と別けて、神宮での祭祀を「神宮祭祀(じんぐうさいし)」とよんでいます。
 神宮では、新年の歳旦祭(さいたんさい)から大晦日の大祓(おおはらえ)まで、年間を通じて千五百回ほどのお祭りがおこなわれています。これらの祭りは、十月の神嘗祭(かんなめさい)、六月・十二月の月次祭(つきなみさい)などの「恒例祭(こうれいさい)」と、皇室・国家及び神宮の重大事に臨んで行われる「臨時祭(りんじさい)」、そして「遷宮祭(せんぐうさい)」に分ける事ができます。どのお祭りも古い儀式を重んじておごそかに奉仕されています。
 神宮の祭りの本義は、天皇が御親(おんみずか)ら皇室の祖先の神である天照大御神をおまつりされることです。第十代崇神(すじん)天皇の御代(みよ)までは皇居内で、また皇居を離れられた約二千年前からは伊勢の地で、どの時代も皇室の弥栄(いやさか)、国家の安泰、国民の平安、五穀の豊穣を祈るお祭りが変わることなく行われています。