神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第1章 神さまのお話

十一、鹿島(かしま)さま 香取(かとり)さま

 鹿島神社の総本社は茨城の鹿島神宮で、武甕槌神(たけみかづちのかみ)がおまつりされ、香取神社の総本社は千葉県の香取神宮で、経津主神(ふつぬしのかみ)がおまつりされています。この二柱(ふたはしら)の神は、天孫降臨(てんそんこうりん)にあたって大国主神(おおくにぬしのかみ)さまと交渉し、ただ一人承服しなかった建御名方神(たけみなかたのかみ)を制圧し、出雲国譲りを成功させた神々です。東国の開拓神として、また、武勇の神さまとしても信仰され、関東や東北地方を中心に多くのご分社があります。
 また、この系統の春日大社は、香取・鹿島の二柱の神さまの他に、天児屋根命(あめのこやねのみこと)と比売神(ひめかみ)とをあわせて四柱の神さまをまつっています。昔、藤原氏が香取・鹿島の二柱の神さまを奈良に勧請(かんじょう)して氏神とされ、まもなく皇室・国家の守護神とされたのが春日大社です。