第1章 神さまのお話
十、お諏訪(すわ)さま
諏訪神社の総本社は、信州諏訪に鎮座されている諏訪大社です。諏訪大社には「上社(かみしゃ)」「下社(しもしゃ)」があり、さらに上社には「本宮(もとみや)」と「前宮(まえみや)」があり、下社には「春宮(はるみや)」と「秋宮(あきみや)」があります。
上社の本宮には建御名方神(たけみなかたのかみ)をおまつりし、前宮には八坂刀売神(やさかとめのかみ)をおまつりしています。下社の春宮と秋宮にもそれぞれ夫婦の神さまがおまつりされています。
上社・下社の各社殿の四隅に建てられる御柱(おんばしら)と称される樅(もみ)の木の柱を、申年と丑年の七年ごとに新しく曳き立てる「御柱祭」など特殊な神事が多くあります。
建御名方神は、出雲国譲りの神話に出てくる神さまで、国を譲った後、長野県諏訪に鎮座し、住民に農耕や養蚕の業を伝えたので、農耕の神・五穀豊穣を祈る神さまとして信仰されています。