神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第1章 神さまのお話

三、水の神さま 海の神さま

 水は、人間が生きていくのに不可欠なものですが、水にまつわる神さまを総称して水神(すいじん)といいます。ひとくちに水神といってもさまざまな信仰があります。例えば、田の水は川から引きますが、その水神は川の神とされます。また、飲料水などを汲(く)む井戸におまつりされるのは井戸神です。水神は蛇や龍、河童などに姿を変え、時折(ときおり)人前に姿を現すとの伝承もあります。
 海をつかさどる神を海神、またはワタツミの神、安波(あんば)さまともいいます。海の恵みをもたらし、海難から人々を守ってくれる神さまです。また、亀や魚などは海神の使者であるとも考えられ、それを助けたために、海の底の宮殿へ行くことが出来たという説話が数多く伝えられています。浦島太郎の話などはその代表例といえるでしょう。八龍(はちりゅう)さまと呼ぶところもあります。また、船魂(ふなだま)は船を守護してくれる神さまで、漁業関係者に広く信仰されています。