神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第2章 神社のお話

一、氏神(うじがみ)さま 産土(うぶすな)さま

 氏神さまは、本来その氏(うじ、一族)の守り神で、その氏の繁栄のために、何かあれば知らせてくれ、常に子孫を守ってくれる神さまと考えられています。
 ですから、ほかに移住する場合などは、何をおいても氏神さまは持っていきました。ご祭神は大山祇(おおやまづみ)の神とか熊野の神とか稲荷の神とか伝えられている場合もありますが、もともとはその氏のご先祖様に対する信仰が始まりで、特定の名前など無かったと思われます。家々には名こそ無くても、氏神さまが立派にいらっしゃったのです。
 今でも仏式で、三十三回忌や五十回忌などを最終の法要として、そのあとは仏が氏神さまになるのだとして、仏式の法事は止めてしまうところが多いのはそのためです。
 現在では、氏神さまとその土地を守護する産土(うぶすな)の神さまが、同一に考えられるようになりました。