神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第2章 神社のお話

十四、ご神紋

各家庭の家紋と同じようにそれぞれの神社にも紋章が用いられており、これを神紋(しんもん)と称しております。
 神紋の成立に関して、いくつかに分類することができます。
 まず一つは、神社に縁の深い神木などの植物、祭器具などを模したものが神紋として用いられる場合で、大神(おおみわ)神社の「神杉」などを例にあげることができます。
 二つ目は、伝説や伝承に基づくもので、菅原道真公をまつる天満宮の「梅紋」は、道真公が生前に梅の花をこよなく愛でたという伝承により、神紋として用いられたものといわれます。
 三つ目は、家紋から転用されたもので、これは歴史上の人物をおまつりする神社に見られるものです。徳川家康公をおまつりする東照宮では、徳川家の家紋である葵の紋が神紋となっています。
 このほかにも、さまざまな紋様が用いられており、人々の篤い信仰と歴史的背景をしめす象徴ということができます。