神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第2章 神社のお話

八、手水舎(てみずしゃ)

 神社にお参りする前に手と口を清めて、それから参拝するのが、神社参拝の作法です。この手と口を清めるところが手水舎です。
 手水は手や口をすすぐことによって、心身全てをきれいにする象徴的な行為で、禊(みそぎ)の一種と考えればよいでしょう。古くは神社に参拝するときには禊といって、海や川に入ったり、水をかぶったりして、身についている罪・穢(けが)れを祓(はら)ってきました。手水は、その簡略化された行為なのです。
 罪については『延喜式(えんぎしき)』という平安時代の法律書中に詳しく記述されていますが、主に天津罪(あまつつみ)として農耕を妨害する行為、国津罪(くにつつみ)として傷害や不倫、姦淫(かんいん)、他人を呪(のろ)うことなど反社会的行為が挙げられます。穢(けが)れとは「浄明正直」の言葉で表されることに反することが自らの身につく状態を指し、死、病など非日常的なことにより受動的に起こる現象と考えられています。