神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第2章 神社のお話

十六、山車

 山車(だし)は、お祭りのとき、車の上にさまざまな飾り物をつけて曳き出すものです。また人がその上に乗って、お芝居を演じたり、踊りを踊ったり、お囃子(はやし)を奏でたりする台で、引き綱で引っ張ります。
 関東では「屋台」、関西では「だんじり」と呼んでいます。多くは、屋根の上に鉾(ほこ)や長刀(長い刀)をつけています。神さまを守る鉾や長刀には、神霊が宿っていると考えられています。それらをつけた山車は、神輿と同じく神さまの乗り物です。また、山車という名称からもわかるように、神霊は山にあるという通念によって、山の作り物としてのものとも考えられます。地方によって、山車を「やま」と呼ぶのも、そのためです。祇園祭(ぎおんまつり)の山鉾(やまぼこ)や秩父(ちちぶ)の夜祭り、高山(たかやま)祭りなどの山車が有名です。