神社ものしり事典

御神徳や御祈祷の紹介、神道の歴史や神話などをご紹介します。

第2章 神社のお話

四、鳥居(とりい)

 「鳥居」は神社の象徴となっていますが、これは神社の入口に建つ一種の門であり、神さまの聖域と人間世界との境界を示すものです。
 大きな神社では、たいがい二つ以上の鳥居がありますが、その場合は外側にある鳥居から順に一(いち)の鳥居(とりい)・二(に)の鳥居(とりい)・三(さん)の鳥居(とりい)と呼んでいます。
 鳥居の起源については、はっきりわかってはいませんが、古事記の「天岩戸開(あまのいわとびら)き」では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れたとき、鶏(にわとり、常世(とこよ)の長鳴き鳥)を止まり木で鳴かせたところ、それによって大御神が岩戸から出てこられたことから、以後神前には鶏の止まり木をつくるようになり、それが鳥居になったといわれています。また語源については「通り入る」とか「鶏が居る」と書いて「鶏居」という言葉が変化したものと言われています。
 普通、鳥居の構造は、二本の柱と柱の上に乗せた「笠木(かさぎ)」と、その下に水平に通された「貫(ぬき)」という横木からなっています。材質は、古くから檜や杉などを用いた木造でしたが、後世には石造り・銅造り・コンクリート造りなどもできました。また、一見したところ同じように見える形にも、神明(しんめい)鳥居・鹿島(かしま)鳥居・春日(かすが)鳥居・八幡(はちまん)鳥居・明神(みょうじん)鳥居・稲荷(いなり)鳥居などの種類があります。